心理療法と過敏性腸症候群

過敏性腸症候群には心理療法が効いたりします。その理由は、過敏性腸症候群は心理的な問題が原因で発症する病気だからです。つまり心理的なストレスを受けると、それが自律神経の中枢である視床下部に影響して、結果的に胃腸の自律神経に悪影響を与える訳です。だから最初の段階の心理的なストレスを、いかに軽くするかが大事になって来るのです。最初の段階の心理的なストレスを軽減さえすれば、自律神経の乱れも最小限に留める事が出来るので、過敏性腸症候群の予防や改善につながる訳です。そうした意味で、心理療法は過敏性腸症候群に有効と言えます。

過敏性腸症候群 心理療法

 

 

 

 

 

ところで過敏性腸症候群の方は、具体的にどういった場面でストレスを感じて症状が出てしまうのでしょうか? 例えば家の中でリラックスしている時は、ガスや下痢、腹痛という症状が出ないのに、いざ外出すると症状が出る方が多いです。その理由は、やはり家の中だったら自由にガスも出せるし、トイレに行きたくなったら自由に行ける環境だから気楽なのです。しかも家に居るのは家族だから、そんなに気を使う必要もない訳です。だから家の中では、症状が出ても軽い人が多いです。しかしいざ、外出しようとすると途端に、下痢や腹痛が起こりトイレに30分以上もこもってしまい、学校や会社に遅刻する方が多くなります。その理由は「もし、途中でトイレに行きたくなったらどうしよう」とか、「もし電車の中でトイレに行きたくなったらどうしよう」という不安が頭をよぎるからです。

過敏性腸症候群 心理療法

つまり過敏性腸症候群の方に必要な心理療法は、そうしたマイナスな想像をしないようにする事が大事になって来ます。その理由は脳は想像と現実の区別がつかないからです。どういう意味かと申しますと、例えば日曜日の夜に、「ああ、また明日から学校が始まる。明日の朝、お腹が痛くなったらどうしよう」と考えただけで、前日の夜からお腹が痛くなってしまう事があります。その理由は、脳の方はそれが単なる想像だとは認識せずに現実に起こっている事として錯覚してしまうのです。その結果、例え想像しただけでも不安になってしまうのです。そしてその不安感が自律神経を乱して、お腹が痛くなってしまうのです。だから一番良いのは、悪い想像はしない事です。それが過敏性腸症候群の人にとって、一番良い心理療法です。では具体的に良い想像をするようにする為には、どうすれば良いでしょうか?

 

 

 

 

 

それは「自己暗示法」です。過敏性腸症候群の人は、日頃から毎日良い想像をする為に、「自己暗示法」という心理療法を行うと効果的です。

自己暗示法のやり方

最も簡単な自己暗示のやり方を、ここで教えます。

「私は毎日、あらゆる面でますます良くなっている」

この言葉を毎日、夜寝る時の布団の中と、朝起きた直後に、それぞれ10回ずつ声に出して言って下さい。声に出した方が効果的ですが周囲に誰か居て、声に出せない時は、心の中で唱えるだけでも良いです。

その他にも、日中、気が付いた時に、いつでもどこでも良いですので、この暗示を口癖のように唱えて下さい。1日、合計、80回以上唱えて下さい。多い程に効果が出ますが、一つ注意点があります。それは暗示を唱える時に、決して意気込まない事です。つまり「良くなれ! 良くなれ!」と意気込んではいけないという事です。だから普通に何気なく言うだけで良いのです。

なお「あらゆる面」とは、過敏性腸症候群の事も、もちろん含んでますが、それ以外の事も全てを含みます。例えば、あなたが望む事、目標、夢の実現など全て含んでいます。

この自己暗示法という心理療法を毎日、続けると、自然とプラスの想像が出来るようになります。すると、お腹の症状も軽くなっていくでしょう。是非、試して下さい。

もしこの心理療法を試しても過敏性腸症候群が改善しなかったら、遠藤自律神経研究所の手技療法を受けてみると良いかと思います。