IBSと血便

過敏性腸症候群(IBS)の人の中には血便がたまに出て困るという方がおられます。しかし過敏性腸症候群が直接的な原因で血便が出るなどという事は、まずありません。その理由はIBSは大腸そのものに炎症は起きないからです。たまに軽い炎症が見られる事もありますが、それは極軽度のものであり出血を起こす程のものではありません。では過敏性腸症候群(IBS)の方が血便を排便した場合、どのような理由が考えられるのでしょうか?

・排便の時に肛門が切れる
便秘の方は固い便をりきむように出す事により、肛門が切れてしまう事があります。それにより肛門から出血して便に血が混ざるという事があります。また下痢を繰り返したりする方も、肛門が切れて出血する事があります。また一日に何度も排便する方も、その度に肛門に負担をかけるし事により肛門が切れて出血する事があります。つまりこれらは痔と呼ばれるものです。

・お尻を拭く時に切れる
またトイレットペーパーで何度もお尻を拭くので、その度に肛門が擦れて出血する事もあります。それが原因で過敏性腸症候群(IBS)の方は、血便が出る事があります。

一番怖いのは大腸ガン

普通、過敏性腸症候群(IBS)が直接的な原因で出血するという事は無いという事は説明しました。では直接的な原因で、つまり大腸から出血した場合、どのような病気が考えられるのでしょうか? それはやはり大腸ガンです。血便を排便した場合、一番怖いのは大腸ガンですので、もし便に血が付いていたら、まず病院へ行き大腸内視鏡検査を受けるべきです。自分では単なる痔だと思っていても、もしかしたらガンかもしれません。大腸ガンは30代後半から増えて来る病気です。また大腸ガンの一歩手前のポリープでも出血する事があります。

クローン病・潰瘍性大腸炎

他に血便が出る病気としては、炎症性腸疾患であるクローン病と潰瘍性大腸炎です。この2つも大腸などに炎症が起きて出血しますので、便に血が付く結果となります。